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37年前、私は東京の精神病院に潜入入院し、『ルポ・精神病棟』(朝日新聞社刊)で鉄格子の内側の無法を告発した。そこは、社会から打ち捨てられた人々の墓場であった。 許せなかったが……「精神病院はいらない」とは書けなかった。良心的な精神病院や精神科医をたたえるのが精一杯だった。 それから7年たった1978年、イタリアでは精神病院を廃絶する法律ができた。重い精神病の人々が自宅で暮らせるようなシステムが動き出した。トリエステなどは、いまやWHO(世界保健機関)の推奨モデルにまで成長した。 この春から夏にかけてイタリアを約4カ月旅した。 遅まきながら私も、「精神病院はいらない」と躊躇なく言えるようになった。 |
No.1 サンレモ発 音楽祭で優勝した | |
No.2 ジェンザーノ・ディ・ローマ発 狂人に市民権 | |
No.3 ヴェネツィア発 そして | |
No.4 ローマ発 最古最大のマニコミオを | |
No.5 ローマ発 暖房器に繋がれた | |
No.6 ローマ発 電気ショックと幽閉で | |
No.7 ローマ発 むかし番犬、いま友人 | |
No.8 ローマ発 国と州の責任で | |
No.9 ローマ発 別荘風ミニ精神病院か | |
No.10 カリアリ発 政権が変わったら | |
No.11 カリアリ発 家族会長必死の訴えが | |
No.12 カリアリ発 行動派州大臣は | |
No.13 カリアリ発 24時間オープンに反抗し | |
No.14 アヴェルサ発 重厚型センターつくり | |
No.15 アヴェルサ発 犯罪組織巣食う町で | |
No.16 トリエステ・アヴェルサ発 刑務所への出前治療で | |
No.17 ゴリツィア発 バザリア院長は | |
No.18 トリエステ発 型破りの左翼院長支えた | |
No.19 トリエステ発 テロリスト以外の道を | |
No.20 トリエステ発 「家族に負担をかけない」 | |
No.21 トリエステ&帯広発 日本の精神病院中心主義を |